遠藤周作

遠藤周作は、近代日本文学を代表する作家であり、その作品は世界の主要言語に翻訳されています。国内外の文学賞を多数受賞し、ノーベル文学賞の候補にも数回選ばれているほか、PENジャパン会長にも就任している。

彼の作品は、日本文学の伝統の枠組みの中で、独自の、カソリックな視点から東洋と西洋の関係に専念しているため、他の日本文学とは強く異なっている。

遠藤周作は、戦後の日本を離れ、海外で教育を受けた最初の学生の一人である。遠藤はフランスでカトリック文学を学んでいたが、健康上の理由で途中で帰国を余儀なくされた。とはいえ、生涯学生として追求し続けたことが、彼の文学的運命を決定づけた。

遠藤の最高傑作であり、その後の円熟期を象徴する一冊が、小説『武士』である。この作品は、17世紀初頭、日本に幕府が成立して間もない頃の歴史的事件を題材にしています。侍とカトリックの宣教師たちが、日本からメキシコ、そしてマドリード、バチカンへと重要な使命を帯びて旅をする。

物語の中心人物は、当時の実在の人物、侍の六右衛門尉長鶴である。しかし、遠藤の小説に登場する侍は、鎧を着て刀を左右に振り回す屈強で俊敏な戦士ではなく、見知らぬ世界に放り込まれ、ますます多くの疑問に対する答えを探そうとする、貧しく澱んだ地主である。”なぜ彼は送られたのか?” “使命のためにどんな代償を払う覚悟があるのか?” “祖先の記憶と祖先の土地の返還、どちらが大事なのか?” “なぜ白人は痩せて見苦しい男が十字架にかかるとひれ伏すのか?” そしておそらく、サムライが乗り越えなければならない試練だけが、その答えを与えてくれるのだろう。

しかし、この本を歴史作品として見てはいけない。作者自身は「『サムライ』については、歴史小説を書く気はなかった」と書いている。ハセクラの伝記に触発されて…。<中略)調査を進めていくうちに、ここに自分を映し出してくれる人がいる、私と長谷倉は一心同体なのだ、と気づいたのです」。

真面目にじっくりと読むことが必要な作品ではあるが、その価値はある。また、瞑想的な自然描写を背景に、ヨーロッパの利害と日本人の使命感がぶつかり合う様子は、小説から離れられなくなることでしょう。

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